母は強し

こ~んなちっちゃなときから、というのはただの比喩で、現実的には20代前半から
知っている理容師の女の子は、もはや子と呼ぶのも失礼な大人になり、
店長という肩書を得て、そしてあと2カ月もすれば母親になります。
去年の10月に髪を切ってもらったときに妊娠したことを報告され、
数日前に店に行ったら、どこからどう見ても、というお腹でした。
彼女はそれでもまだ、「怖いですよぉ。入院だってしたことないのに」と言っており、
でもそれは母としての現実味がわかない妊婦の本音なのだろうと思います。
そう、男の僕には思うだけでまったく現実性のない感覚ですね。
想像だってほとんどできない。
そしてまた女性は、一時的であれ、妊娠と出産によって今ある社会的立場から
外れなければなりません。その事実に対する決意や覚悟も僕には現実感が沸きません。
聞けば彼女は、出産から数月後には店との関わりを持てるよう会社側に進言を済ませ、
1年後には美容師としての復帰を計画しているそうです。
そのために勤め先から歩ける距離に引っ越すとか。
そのたくましさに圧倒されました。すでに母になる準備はできてるだなあと。
こ~んなちっちゃなときから一本芯が通ったヤツだとは知っていたけれど、
その覚悟や決意が僕にできるかと言えば......。
僕にできることがあるとしたら、出産祝いを考えることくらいだなあ。
昨今話題のダイバーシティ的には不適切な発言でしょうけど、やっぱり母は強し。
きっと彼女はカッコいい母ちゃんになると思います。