職業的スイッチと、機能作動時の損失

手前味噌を語る気など毛頭ないとご了承ください。
さて、人に話を聞く仕事が大半を占めており、インタビューの現場などでは
「話をたくさん引き出していただいて」などと、お褒めと勘違いしそうな言葉を
いただくことが少なからずあります。そう、勘違いなのです。
引き出そうなどとしているわけじゃない。時には、このままじゃネタが少ないと、
そこは経験値で上下左右から揺さぶりをかけることはありますよ。
でも、インタビューの大前提として、相手は話す気構えがあるからこそ受けてくれた
わけですから、聞き手が無理せずとも言葉は向こうから出てきます。
とは言え、さぁ話してくださいと足を組むような態度ではダメです。
そこで大事になってくるのが、話したい気分づくりです。
これは、対面した最初の数分が肝心で、そのわずかな時間で相手をリラックスさせる
というか、こちらはあなたのお話を無性に聞きたいんですよという流れを
生み出さなければならない。的確な質問以上にそれが重要だと、僕は考えています。
その流れさえつかめれば、あとはほぼ大丈夫。
けれどほとんどの場合、本当に相手の話が無性に聞きたくなるんですよね。
いわゆる職業的スイッチが入ると、河口に向かって川幅が広くなるがごとく、
次々に質問が膨らんでくる。
それゆえ一期一会のインタビュイは、僕をおしゃべりな人間と記憶することでしょう。
それを職業的損失とはカウントしないことにしています。
つい先日、この3月に大学を卒業する女子大生と話しました。
いつものようにスイッチをオンにし、よい流れをつくれたのは問題なかったけれど、
「超ヤバいです! 超好き!」を連発され、いかに超かを問い質す時間が増えました。
それはそれで構わないんだけど、スイッチがオフだったら
「もうすぐ社会人になるんだから超はやめろ」と叱ったかもしれません。
あるいは、本来の人見知りが機能して、最初から声をかけないかもしれない。
そう、本当は人見知りなのです。それは勘違いでなく......。