同時代

村上春樹さんの長編が発売されましたね。全2巻の発行部数は130万部。
すでに増刷決定だそうです。
初版でこんなに刷れる作家は世界的にも稀なので、
そりゃ皆さんいろんなことをおっしゃります。
「よくわかんない」
そうですね。1979年のデビュー作『風の歌を聴け』以来
ほぼ読み続けている僕だって、「よくわかるのか?」と問われたら、
ごめんなさいと言う他にないかもしれません。
でも、やっぱり他にはない骨太でダイナミックな文体には
どうしようもなく惹かれます。なかば蟻地獄的に吸い込まれていきます。
そしていつも感謝するのは、紙の印刷物としての本が姿を消している
かもしれない100年後でも読者を獲得するであろう村上さんの作品を、
新刊が出るたび慌てて本屋に買いに行ける時代に僕が生きている幸運です。
それは未来の人々に自慢したいな。初版だぞって。
この話、何度もしているような気がするけれど、
新作が出るたび繰り言のように口にできるのも同時代ならではの愉悦ですね。
ふふん。