常に断層の表面

マスコミが取り上げるニュースは常に断層の表面を写し取るだけで、
様々な地層の成分や、なぜその場所で地層が重なったかまでは伝えません。
本当は詳細を報告したいのかもしれない。
でも、億単位の強盗が生きた翌日にも千万単位のお金が盗まれたりすれば、
いちいち関わってもいられないのも事実です。
そして僕らは、そうしたマスコミの特性を利用するようにして
にわか探偵を気取ります。ニュースの断片が不可解なほど
真相にたどり着きたい意欲が増し、
それぞれが情報を持ち寄ってはあ~でもないこ~でもないと盛り上がる。
探偵のいいところは、第三者であることです。
もし自分が被害者だったら冷静ではいられませんからね。
その点でにわか探偵はもっとも無責任で気軽な存在です。
何しろほとんどの場合、本気で真相をあばこうとは思っちゃいないし。
強盗だの窃盗だの、物騒なことが続きますね。
僕が気になったのは、佐渡の博物館で金塊が盗まれた事件です。
実はレプリカで、それを知った犯人はさぞ悔しい思いをしただろう
というオチがつきましたが、博物館に足を運んだ善良な市民の方々にすれば、
「偽物を見せられて、うわぁ、とかよろこんだわけ?」
とがっかりしたんじゃないでしょうか。
そっち方面はあのニュースで報じられなかったと思うのですが、どうでしょう。
そうです。僕らに知らされるのは常に断層の表面だけなのです。