『スマホおよび通信機器の使用禁止』

勝手に期待を抱いてしまう地名というのがあります。
東京・品川の青物横丁はその筆頭じゃないでしょうか。
後で調べてわかりましたが、京浜急行の青物横丁駅は、
日本で唯一"横丁"がつく駅名だそうです。
旧の東海道が走るこの町、江戸時代には野菜の市場があったそうな。
それが地名の由来ですが今はありません。なので現在住んでいる方にすれば
「勝手に期待されてもねぇ」ということになるのでしょう。
さておき、初めて降りる駅の徒歩圏内に取材先があり、少し時間があったので
昼飯を食べることにしました。何かいいでしょ、青物横丁でメシって。
でも、ここはもしや? と入ったのはうなぎ屋さんでした。
高級そうじゃないんです。装飾に気を遣わない庶民的な感じ。
しかも重はなく丼のみ。ほぼ当たりですね。
さらに気に入っちゃったのは、11名しか座れないコの字型のカウンターに
貼られていた『スマホおよび通信機器の使用禁止』の文字。
『スマホおよび携帯電話』だったかな。どっちでもいいか。
要するにお行儀良くしてくださいねというメッセージです。
客商売でそんなこといちいち断らなきゃいけないのも店主にすれば
癪かもしれませんが、品が出てきてとりあえず写真を撮る行為は
僕もあまり好きではないので、店の意向に賛成です。
出されたものはすぐに箸をつける。何しろ昼だし、冷めたらうなぎに申し訳ない。
店内の雰囲気同様、余計なことを何もしていない真っ直ぐな味わい。
写真で見返すくらいなら(実際に見返すのかどうか疑問だけど)、
また来たいと思わせてくれたうな丼でした。
そういうささやかな感動って、その町が好きになる理由になりますよね。
あえて店名は伏せます。それも店主の意向じゃないかと勝手に推測した結果です。