フシギナチカラ

宮里優作プロの優勝が時間を置くほどにずんずんと重みを増すので、
今日もその話をします。録画したテレビ中継を見たのですが、
カップの縁をぐるりと巡ってコトンと入ったボールの動きは、
やはり神懸っていたとしか言いようがありません。
何しろプロゴルフの試合は、4日間で約280回も打つスコアで争うんですよ。
なのに最後の1打ですべてを決めてしまうなんて、それ自体や
あのパッティングが入る確率っていったいどういうものなんだろうと。
これは本人が記者会見で話したことですが、
昨年10月に義理のお父さんが亡くなりました。
ゴルフが大好きな愛知の方です。優作くんの試合にもよく足を運ばれ、
僕も会場で会うたび言葉を交わさせていただきました。
「まさか娘が連れてきたのが宮里優作だなんて驚いちゃいましたよ」
そんな話を屈託なく楽しそうにね。
沖縄出身の優作くんは現在、愛知県に本宅を構えています。
だからこそ奥さんのご両親の地元で活躍する姿を見せたかった。
そんなエピソードを聞くと、あの最後の1打は、なんて思いが高まります。
でも、もしそんな不思議な力が働いたとしても、
おそらく誰の目にも明らかな物理的実証は不可能でしょう。
それゆえ、そんな力など存在しないと断言したほうが賢明だし、
スピリチュアル的詮索は口にしないほうが得策かもしれません。
ただ、実際がどうであれ、そういうことがあるかもしれないという思いは、
生身で生きる僕らの救いになることがあります。
しかも足元が危うい精神を支える現実的なつっかえ棒の機能を伴って。
それがあるとかないとか論じるのではなく、フシギナチカラと声に出すだけで、
それはもう僕らの中のどこかでふっと沸き出るような、
文字通り不思議な力になる気がします。