安堵のルーティン

数コールで受話器を取り、「はぁ」と「やぁ」の中間くらいの声を発した直後に
「元気でやっていますか」と言う。
それはこっちのセリフだろうと思うところまで完全にルーティン化。
82歳のイチローか? と突っ込みたくなるけれど、ややこしくなるのでやめる。
ちょっと黙ると「仕事はあるの?」とすかさず聞いてくるのも毎度のこと。
ゴールディンウィーク中に1日だけ一人で東京まで出かけたのが最新トピック。
それ以外は、医者と薬の話が中心。
前にもらった足の痛み止めは顔に湿疹が出る副作用があったけれど、
担当医が代わって出された今度の薬は調子がいいらしい。
近くの施設で風呂に入ること。熱中症対策に水を飲むことの大切さを改めて
テレビで知って、「あんたの言ってた通り」と感心するのもおよそいつも通り。
とは言え、「前も同じ話をした」と切り返すのはずいぶん昔に封印した。
それよりもいくぶん遠くなった耳が電話なら問題なく会話できる現実に安堵する。
とにかく「ふんふん」「そうそう」を挟みながら、
向こうが飽きるまで(平均20分強)言葉に耳を傾ける。
そして締めもまたルーティン化された「電話ありがとう。うれしかった」
そのセリフはいまだに慣れないと思っていると、意外にあっさり受話器を置く。
もうお気づきかと思いますが、不定期な母親との会話です。
本当に感謝しているのは僕のほうですね。
それも毎度同じように感じていることです。あ、母の日が近いんだっけ。