ラブ・ビール

オレは本当にビールが好きなのか? と問うてみたのです。
もしどうしようもなく好きならばそれだけを飲むだろうし、
体が求めるアルコールもビールからだけ摂取するのが筋ってもんだろう? 
しかし僕がビールに負わせている役目は、外でも家でもスターター。
エースの条件たる先発を任せても完投はさせず、ほぼ早い段階で途中交代。
監督としてはかなり非情な采配です。ビール側にすれば、選手起用に対して
不満を抱き続け、別の監督の下で働きたいと思っているかもしれません。
そういう意味では、要するに有り体の"とりあえず"です。
ただし、"とりあえず"は"取り敢えず"と書き、「他のことは差し置いても」
または「何はさておき」という意味があるので、
僕にとって1日の終わりを示す飲酒ではビールが不可欠なのです。
何というか、「今日もお疲れ」と肩を叩いてくれる同僚のような存在です。
そういう関係は、もはや好き嫌いを越えているわけです。
だから冒頭の自問自答に対する回答は、「そんなこと今さら問うな」です。
ここを読んでくれている遠くの町に住む人が、思うところあって
一時的な禁酒を始めたそうです。それぞれ事情があるだろうから、
自分で決めたことが達成できるのを祈るばかりです。
ただ、禁や断という行為をもっとも遠くに置いた僕の人生では、
たぶん自らビールを断つ日は訪れないでしょう。
同僚と会えない夜の寂しさに耐えられる気がしないから。