アイツからコイツに

僕らの中で沸き起こる負の感情は、およそ人によって芽生えるものである。
これは断言していいと思います。そしてまた、最終的に取り返しのつかない
怒りに達する間、対人関係で小さな亀裂を生み出すのは電子文書交換、
つまりメールやLINEという道具でもあります。
文字を仕事にしている関係上、僕は文面にけっこう気を遣います。
さらに、少なくとも仕事方面においてはすぐに返します。
なぜなら、文面以上にレスポンスの速さこそがメールの活用理由だから。
とは言え、こちらとは違う考えをもつ方は少なくありませんね。
一晩経っても返信がないと、どうしたんだろうと思うわけです。
文面が気に入らなかったのだろうか? 判断に迷っているのだろうか? 
他の要件に忙殺されているのだろうか? 
けれど、僕の知る限りちゃんとしている人(つまり仕事ができる人)は、
文章に不備があろうと、判断に時間がかかろうと、どんな忙しくても、
そうした諸事情を伝えるためだけでもすぐに返信してくれます。
それはどういうことかと言えば、フェアなのだと思います。
内容によってはプライオリティが生じるにせよ、
すぐに応じる姿勢を崩さないことを矜持とする。
これ、大げさな話じゃないですね。
電子技術はコミュニケーションを円滑することにも生かされたわけですが、
使い方によってはコミュニケーションを破壊することも可能です。
要するに諸刃。物質的豊かさが抱える恐ろしい側面です。
とまぁ、アイツがそんなことをしたので、直接会って文句を言いました。
それでコイツくらいまで距離を戻すことができた。
結局のところ、本心を交わし合うのに道具はいらないってことですね。