そんなことが叶うはずはないだろうけど

興味深い話を聞きました。80歳を超えるお坊様が英会話を始めたそうな。
さすがにその年齢だと覚えるのは大変でしょうと周囲が心配すると、
そのお坊様はこう答えました。
「生まれ変わった命は最初から英語が好きになるでしょうから」
そしてこの話をしてくれた方は続けて僕に言いました。
「だからあんたがその歳でチェロを始めたのなら、
次の命は最初から音楽が好きになるってこと」
ふむふむ。なるほど、そうなのかもしれないね。
この国では急激に人口減少した年があります。
昭和20年。2つの原爆が落とされ戦争が終わった年は、
前年比1.5パーセントの1000万人以上も減りました。
父親が亡くなってから、こんなことを思うんです。
代わりに何かできないかと。
たとえばまだ小さかった甥や姪の手を握り、
そのぬくもりを僕の体を通して父親に伝えられないかと。
そんなことが叶うはずはないだろうし、あるいはお坊様のような
強い信念も持てないのだけど、今を生きているのであれば、
今を生きられなかった人の分までと、
たとえば今日のような日にはそんなことを考えてみるのです。

エミさんの『空気日誌』更新。1年ぶりの夏休みのご報告。