真夏のサイレン

この時期のサイレンと言えば甲子園です。
試合の始まりと終わりを告げるためにウ~と鳴るのだけど、
最後のほうが同じウ~でも響き方が違うように感じます。
3アウトとなり、両校の選手がバッターボックスの縦の線上に並び、
主審の掛け声で互いに深々とお辞儀する瞬間にウ~。
まだ戦えるチームと、これで去らなければならいチーム。
その面前に目に見えない壁が生まれたのを知らせるサイレンです。
悲喜こもごもです。
それにしても、なぜ警笛や警報と同義のサイレンを鳴らすんだろう。
甲子園に紐づけて調べればきっと答えがわかると思いますが、
僕はサイレンの語源に興味の矛先を向けました。
ギリシャ神話に登場する、上半身が人間の女の人で下半身が鳥の
セイレーンからきているそうですよ。航海中の船に美声で歌いかけ、
乗組員を幻惑し遭難へと導く。
挙句の果てに船乗りたちを食うってんだからおっかないもんです。
そんな怪物が現れたら、「サイレーンだ。皆に知らせろ!」と
叫んだのが警笛、つまりサイレンの始まり。って、後半は僕の想像です。
高校野球からは遠いところに来てしまいました。
それにしても、迫りくる危機を報せるためではなく、
確定した勝敗の決着を告げるためのサイレンって酷だなあと、
今さらながら思った次第です。泣くなよと、
無機質な響きでつぶれそうな球児の耳をそっと塞いでやりたくなります。