母親の戦法だとしても

子供というのは、それが当人にすれば何気ないものだったとしても、

親が放った言葉を生涯忘れなかったりします。

「あんたを生むのは本当に大変だった」

僕の出産予定日は9月13日だったそうです。

幸か不幸かどんな出産だったか何も覚えていない長男は

それから指折り数えて5日目の17日に生まれました。

だから名前が十七男。

初対面の人と名刺交換するときは、変名のおかげでひとくだり生まれます。

ありがたいことです。それはさておき、今日15日は、

そんなわけで出産予定日から誕生日までのちょうど中日。

けっこう昔のことなので医療方面は今よりアレだったろうから、

15日が中日になるなんて、あるいは誰にも予想できなかったかもしれません。

その間、母親はどんな苦痛を抱えていたんだろう。

初めての子供の出産が滞っていた父親はどんな気持ちでいたんだろう。

すべては想像の域です。

ただ、「大変だった」という言葉を思い返すたび、

今もってすまない気持ちになります。

ゆえに誕生日というのは、やはり自分を祝う日ではないですね。

そういう心持ちになるよう仕向けた母親のささやき戦法だったとしても。