#1 あれから2年、そして旅立ち

2011年3月11日午後2時46分。
その時僕は映画撮影のため、北九州へ向かう空の上にいた。現場での会話は当然、地震一色。僕が乗った飛行機がギリギリ地震前に飛び立ったようで、羽田で足止めになってるキャストやスタッフがいる。家族、友人に電話がつながらない。そもそも撮影は開始できるのか...。それでも明日からに向けての準備を済ませ、夕方頃宿泊先へ。ホテルの部屋でテレビをつける。 

凄惨な津波の映像だった。

部屋の真ん中、ひとり呆然としたのを今でもはっきり憶えている。これは本当に日本での出来事なのか?

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あれから2年、様々なニュースや映像が流れ、事件・事故が起き、人々の感情が渦巻き、そして今、収束に向かいつつあるように感じる。いや、自分も含めて、多くの人々の関心が他へ移りつつあるというべきかもしれない。
震災直後、僕の親しい友人は被災地支援へ向かった。義援金を募金した。政府の対応や復興に対する方針に対し、各々の意見を闘わせた。しかし、原発の賛否については今でもたまに話題に上がるにしても、やはり津波で被災した地域への関心は薄れつつある気がする。

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2年経った今を特集する番組の中で、ある被災者の方の言葉が僕に刺さった。
「復興は何も進んでいない。いつになったら自分たちの生活が取り戻せるのか......。
震災で亡くなった人々への哀悼の気持ちをちゃんと持っていてくれるなら、ぜひ全国の人たちに、今日の現状を見に来てもらいたい。手を合わせた上で、直に知ってもらいたい」
一度、自分自身の目で被災地を見てみたい。あの凄惨な被害にあった現地は今どうなっているのか。しかし、復興支援に行く訳ではなし、冷やかしになるのではないかと考えていた僕の連休の予定が何となく決まった。

旅好きな自分だが、予定を立てるのがどうも苦手だ。「明日は休み」のはずが、夕方になって突然「明日仕事」になったりする仕事柄だろうか。
とにかく、今回も何も決めずに数日分の着替えだけ鞄につめてバイクで東京を出発。ま、長い道のりだし、途中休憩しながら行き先決めりゃいいやと。

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