#2 相馬~ 街中の違和感、更地が発した警告

初日、まずは福島県相馬市に到着。
市役所辺りを通過するが、目立った被害を確認することはできない。
何と言ったらいいか、違和感を覚えるのだが、それが何なのか今ひとつ分からない。率直に感じた感想は、「もう2年経ってるしな」。
それなりに復興は進んでいるのかなと。かなり覚悟していたので、こんな言い方をすると誤解を招きそうだが......、少々拍子抜けだった。

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港へ向かう。津波が押し寄せる映像で見た事のある工場がまず目に入る。どうやら操業できているようだ。しかしこの辺りは、所々道が崩れていたり歪んでいたりと、津波あるいは地震による被害が見て取れた。護岸の堤防やテトラポットは真新しく工事中の箇所もある。「ふ~ん、そうか」と。
そうしてしばらく港沿いの道を行くと突然左右が開けた。一見ただの草っぱらで、「あ~、うちの実家の方の景色に似てるな~」なんて思ったが、思いっきり違和感がある。よく見ると、草に埋もれた建物の基礎が無数に広がっていた。そこには以前、港町が存在していたのだ。
思い起こしてみれば先ほど通過してきた街中は、どうも急ごしらえというか、簡易的な建物が多かったことにその時になって気付く。感じた違和感はそれだったのだ。

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松川浦を通って南相馬市まで南下。街をつなぐバイパス沿いは点々とガソリンスタンドや商店、住居が存在しているが、ちょっと中に入るとなにもない。もとの風景を知らない自分からすると、広大な畑地帯に見えるが、もちろんそこには作物が植わっている訳ではなく雑草が茂っているだけ。
時折目につくのは、堆く積まれた仕分け済みの瓦礫の山々や、大きな送電線だけ。それも真新しいやつ。あとはなにもない。人っ子一人いない。

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ある地点で再び海岸線に近づいてみた。ぽつんぽつんと点在する廃墟の先に堤防が現れる。海は見えない。
左側には偶然、これまた映像で見覚えのある崖に松林。堤防ギリギリにバイクを停め、よじ登って海を見てみようとエンジンを切った途端、何とも言えない静寂に包まれる。ただ時折、地響きのような波の砕ける音が壁の向こうから響き渡る。途端に様々な映像がフラッシュバックし、想像の中から恐怖が湧いて来て、一歩も進めなくなってしまった。

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振り返るとそこには、ひたすら更地が広がっている。夕方だったからなのか、それ以上立ち入るなと何かに警告されていたのか、とにかく無性に怖くなって、そのまま来た道を引き返してしまった。

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