立て続けに観る作品のチョイス

映画の話です。2021年に公開された邦画の『燃えよ剣』と、2014年発表の洋画『アメリカン・スナイパー』を立て続けに観ました。『燃えよ剣』は、司馬遼太郎さんの同題原作をずいぶん前に読んでいたので、さて映画はどうだろうと気になっていました。あくまで個人の感想ですが、原作小説では冒険活劇的な躍動感を強く感じたのだけど、映画のほうは主人公の土方歳三の観念を語る形で進んでいったので、全体的に跳ね感は抑え気味だったかなあと。
一方の『アメリカン・スナイパー』は、イラク戦争に従軍し、レジェンドと称されるほどの戦果を挙げた狙撃手が主人公。数年前の作品に手を伸ばしたのは、まずは大好きなクリント・イーストウッドの監督作品であること(なので最後まで一度見た疑いが拭えませんでした)。それから、AmazonのPrime Videoが「間もなく見放題終了」のリストのこの作品を加えたので、妙に急かされたところもあります。
二つの作品を並列にするのは、あまりに奇妙な話という自覚はあります。趣はまったく異なりますから。ただ、強引に共通項を見出せば、どちらの主人公も実在の人物であり、いずれも戦争という極めて非日常的な現場で特別な生を感じた人間でした。そして、19世紀後半のまだ十分に閉鎖的な日本と、情報が一瞬にして世界中に拡散する21世紀初頭のイラクまたはアメリカという物語背景の違いはあっても、戦争映画において戦闘シーンのリアルさを追求すれば、そこではあっけない人の死の描写が避けられなくなります。
どちらの映画も、主人公は最後半で消えます。ゆえに感情移入の対象に差し向けられた人間の死(または生)は作品の中で尊重されますが、そこに至るまでの過程では、兵士という名もなき存在に姿を変えた、本当はそれぞれに名のある多くの者たちが、あまりに軽やかに刀剣や銃弾に討たれていきます。それが本当に怖かった。そこが監督の意図ではないのはわかっていても。
観るタイミングなんでしょうね。特に『アメリカン・スナイパー』で描かれた近代的な戦争が、そのまま今のウクライナで展開しているのだろうと思うと辛くなります。戦争が何を侵していくかを映画では必死に伝えてきたのに、人類はまったく懲りない。
いやいや。そもそも立て続けに観る作品のチョイスが正しくなかったのかもしれません。ここに来て、Prime Videoの弊害を感じます。便利って、慎重に利用しなきゃいけませんね。疲労感が半端じゃないです。

この手の写真は、垂直と水平を意識するのが難しい。ちょっとずれてるか?

 

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