ある状況に際して、「一筋縄ではいかないなあ」と思った直後、「これも難しいのかな」とぼやきました。
要は言葉選びの問題です。原稿書きの仕事では重要なポイントですが、一般企業でも資料作成を行うとき、どんな言葉を使うかが評価の対象になると聞いたことあります。
僕らの場合の言葉選びは、まず書き手の裁量に委ねられます。僕はインタビュー取材からの原稿書きが中心なので、基本的にインタビュイの言葉を尊重します。そこに相手の個性や経験が現れるから。
ただし、話し言葉だけでは伝わり難くいと判断したときや、重複した話題をまとめるときには、本人が使わなかった言葉を用います。そこには、書き手の個性や経験が出ます。
その上でどんな言葉を選ぶかは、クライアントの特性や読み手の世代などを考慮するわけです。それが書き手の使命と肝に銘じていても、特に若い世代をターゲットにしたケースでは、「これはちょっと硬いですねぇ」と指摘されることがあります。
ついこの間、問題視されたのが『件』。「けん」とも読みますが、そこでは前述を意味する「くだん」以外の読み方がないよう置きました。けれど読み手が「硬い」と感じたなら修正は必至。そんなはずはないと意地を張ることに意味はなし。指摘の最中から別の言葉選びや文脈の変更を検討することになります。
なのだけど……。と、ここからは愚痴ですが、若い世代であろうと大人なら、仮に読めなくても調べてみたらどうかと思ったりするのです。いや、指摘してくれた担当者を責めるつもりはありません。ただ、今以上に語彙が乏しかった若い頃の僕は、知らない言葉に出会ったらすぐに調べたものです。知らないままでいたら大人になれないと焦ったから。
そういうのは、書き手を目指した者だけの厄介なこだわりかもしれません。とは言え、皆さんも普段の会話で悩みませんか。言葉遣いで世代が露見して、若い連中から煙たがられるのも嫌だなあとか。何年か前に話題になったメールの文末の「。」も、ほぼ「。」をつける僕にしたら迷惑な話でした。
そんなこんなで、業務上不可避な言葉選びの難しさに関して「一筋縄ではいかないなあ」と思い、この慣用句もダメなのかなあと戸惑いながら、今日も張り切って仕事しております。

京成のスカイライナー。乗ったことがないなあと思って。









