あなたを理解しないと言ったら、相手はぽかんとしていました。すみませんでした。
こういう話です。非常に若い女性のギタリストにインタビューしました。最近なぜかそういうケースが増えているのだけど、みんな抜群の腕前なんですよね。僕なんかにしたらついこの間知った奏法をすでに身に着けていて、開いた口が塞がらないというか、開いたままの口から「ほぇ~」ってな感じの溜め息しか出なくなるのです。
若くして達者なのは、幼いうちから楽器に触れていることがひとつ。そんな環境を親が与えているのもひとつ。とは言えピアノ等々、クラッシクの世界では特に珍しい事情ではないのですが、いわゆるポピュラー系で特筆すべき事由に挙げたいのは、音源および興味獲得の果てしなく広い自由度なんですよね。YouTubeという底なしのライブラリーで、最新ヒットチャートよりはむしろ古い音楽を拾い集める。本当に驚くのは、というより実はまだ疑っているのは、若い世代は昔の音楽を今のそれと比較することなく、ただシンプルに好むらしんですね。だから古い音楽をそのままなぞったり、あるいは今風の感覚でアレンジしたり。もう無茶苦茶ですわ。
そのあたり僕ら世代にすると、新しい流行に飛びつくなり受け入れるなりする一方で、過ぎ去った流行をいくつも捨ててきた経験があるわけです。だから古い音楽を懐かしく感じても、新しいとは思えない。そこがもう今の10代20代はとまるで違うんですよね。
理解しないと言い放ったのは、彼らと僕らの状況の著しい差異だけが理由じゃないんです。下手に理解しようとすると、どうしたって自分の理解力を支える要素の範囲でしかジャッジできなくなるから。あるいは、そもそも彼らはジャッジなど求めていないから。それを悟ったならただただ大人しく、若い表現を楽しむ他にありません。縁側でお茶をすするようなポジションに追いやられた気がしなくもないけれど、いやまぁとにかく、今の子たちの渋好みったら驚くばかりですよ。

そっちは線路! と声に出せば驚かせそうで黙るのは人間の、何だろ?
