信用の気配

デキる人かどうかは一瞬で判断できるものかもしれません。その先生は、診察室に入った最初の段階で母親の近くに寄りながら、「そこにお座りください」と大きめの声を出してくれました。カルテか問診票の年齢をチェックした時点でそうされようとしたのかもしれません。高齢者なら耳が遠いだろうという配慮でしょう。それが何だかうれしかったです。
前段が抜けていました。母親の付き添い。今回は脚関連です。現在の状態を正確に知っておきたかった僕の我がままで、地域で有名かつ大きな病院に向かいました。
なぜ僕はうれしかったか? これには、別のかかりつけのドクターの存在があります。医師にもいろんな人がいるでしょうけれど、その先生は今でも小声でもごもごと話すのです。そばにいる僕にも時に聞こえないくらいに。聴力に難を抱えるようになった母親にすると、なかなか困惑するようです。聞こえない自分が悪いと思い、聞き返すのをためらうみたいなんですね。外面がいいもんだから、聞こえたふりをしちゃうんですよね。もし一人だったら重要な情報をスルーしてしまうのではないかと、そこはやはり心配な部分です。
そんなこんながあるので、付き添い機会で初対面の人がどのような対応を見せるかはいささか気になってしまうわけです。親切を期待するのでもないけれど。
ところがその先生は……、というのは第一節に記した通り。発音も歯切れがよく、大きな口を開けて話すので、母親も聞き取りやすかったそうな。デキる人は違いますね。その後の説明も丁寧で、誰を診ているかが伝わってきました。そもそも高齢者が多い科だから、先生にすれば普段通りの診察スタイルなのかもしれません。けれど不安を抱えている患者にすれば、最初の態度や言葉だけで不安の多くが解消されることがあるんじゃないでしょうか。診療後に母親が言いました「いい先生だったね」と。
信用は積み重ねるものと言いますが、真のプロフェッショナルは初めて会ったときから信用の気配が漂っているのかもしれませんね。僕はどうだ? ちなみにそのデキる先生、院長でした。ワオ、です。

ランニングコースの途中の工事現場。コンビニっぽいね。

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