第一に愛

偉人と名言はセットというか、名言あってこそ偉人たり得るというべきか。その言葉がいつどこでどんな状況で発せられたか不明な場合がほとんどですが、その人の成した結果を見ると、そうおっしゃられるのも当然と納得できるから、名言とは不思議なものです。
御託はいいですね。命日だった6月10日にアントニ・ガウディに触れましたが、稀代の建築家について調べた際、彼が遺したいくつもの名言を知りました。中でも僕がグッときたのはこれです。
「物事を上手くやるために必要なこと、第一に愛、第二に技術」
この有名らしい名言を自分なりに解釈すると、物事を上手くやるために必要な第一は、本当は技術だと思うのです。
技術とは、何かをつくり上げるための方法や手段。英語に直すとtechnologyなので、日本語のそれも組織的な能力ととらえたほうがよさそうです。また、ガウディが生業とした建築も多くの技術者が関わって完成するものなので、彼が言った言葉としては技術がふさわしいのでしょう。
しかし一人の才人の名言とするなら、個人的能力を意味する技ないしは技能、英語のskillが適している気がします。って、これも御託の類ですね。技術でも技能でも、実はどっちでもいい。
いずれにせよ、自薦他薦問わず自分の才で何かをつくる上で、技術なくして人の信用は得られないと、曲がりなりにも個人営業の物書きなどやっていると痛感し通しです。たとえば僕は、生まれつきの才能など皆無に等しく、人より秀でる技など身につくはずがないと思い込んでいる人間なんですね。なのに今もって原稿書きができているのは、何であれ書くのが好きだから。
「その思いこそ、ガウディが第一とした愛だろ」とおっしゃる方がいるかもしれません。それは大きな間違い。なぜなら、原稿書きが好きな自分を愛するために不可欠なのは、人に求められる原稿を仕上げる技術に他ならないからです。本当にそう思います。
そんなことはガウディも知っていたはず。なのに愛を先に挙げたのはなぜか。名言とは、何年経ってもその意味について考えさせられる言葉なのだろうと。これは今日のところの結論です。

紫陽花は表情豊か。この階調、素敵すぎる。

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