【初】

音読みでは【しょ】【そ】 訓読みだと【はつ】【はじ・め】【うい】【そ・める】【うぶ】といったラインナップからもわかるように、【初】は用途の広さを特徴とする漢字です。そうなった理由は、それこそ人生初の出来事を特別かつ大事にしようとする人の思いを、この一字に込めたいからじゃないでしょうか。
初婚で初産の赤ん坊が生後100日になるとお食い初めの儀式。やがて初入園、初入学。女の子であれば、しかるべき時期に初潮を迎えるのでしょう。そのあたりでは男女ともに初恋なんかして、何歳が適当か知らないけれど初体験なんてのもあったりして。
たとえば学生時代に演劇に興味を持てば、初陣の覚悟で初舞台に臨むことがあるかもしれません。
初報酬または初任給。素敵な誰かと巡り合い、ともに初日の出を拝んで初詣。なんやかんで初婚から初夜から初産の流れに。そんなこんなで気づけば初老となり、初孫を授かり、やがて最期の時がきて、愛した家族によって初七日の儀が行われる……。
人生の出来事に限らず、他にも【初】が使われるモノやコトはたくさんあります。けれどたいがいの場合、祝いとセットになっているんですよね。それは、歴史の事柄でも同じ傾向にあるはずなのですが。
そんなわけで本日この後、日本初の女性首相が誕生することになりそうです。言うまでもなく歴史的。初というのは、旧態依然が改まる事実を示すので、何かが大きく変わったり、これまでとは違う期待を寄せるきっかけになるんじゃないでしょうか。
けれど今回、個人的には祝いの気分が高まっていません。そしてまた、僕の周囲からも似たような温度、というより話題にすらならない冷め方しか感じ取れない。あるいは、実は聞いてみたい女性の意見も、あまり伝わってこない。
奇妙じゃありませんか? 歴史が変わる瞬間に立ち会っているはずなのに、なぜこうなっているのかなあと。それが、ちょっともったいないと思っています。
そうなった責任は、祝うべき側にあるのか、あるいは祝われるべき側にあるのか。いずれにせよ現時点では、込められるべき思いが空回りするみたいで、こういうケースに遭遇した【初】を気の毒に感じています。

またも音から始まった花火。今度はベランダの端から見えました。ちょっとうれしい。

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