東京について書くとき、およそビル群であるとか人の多さに視点を置きがちになります。だから荒涼とした土地を目の当たりにすると、こんなところも内包しているのが東京なのかと、ちょっと背筋が寒くなる思いがします。
クルマの撮影に長けたフォトグラファーに連れられて行ったのは、おおむねお台場の先。港湾地区は高いビルがなく空の抜けもよく、変な映り込みがないのでクルマを撮るには好都合。彼はそういうところをよく知っています。僕も無知ではないのだけど、以前より湾に向かって土地が広がり道も伸びて、もはや未知の場所になっていました。この先どんな利用方法があるのかまるでうかがい知れない、この時期だから枯れた雑草だらけの、とにかく広大なスペースがそこにあるわけです。
ふと思いました。こんなところに埋められでもしたら、誰にも見つけてもらえないだろうと。発見されるとしたら、何かを建てようとして造成し直すときでしょう。それがいつかはわからない。このまま放置されるかもしれない。だとしたらオレはずっと行方不明のままじゃないかと、気付いたら被害者の側に立っていました。
「防犯カメラがあるんじゃないっすか?」とクールに言い放ったのはファインダーをのぞいたままの彼。周囲を見渡しても、それらしき物体はなかったけどなあ。
悪の組織に関わった映画の登場人物みたいな気持ちになりますが、心が晴れるロケーションではないのでお勧めはしません。コンテナを積んだ巨大トレーラーが跋扈しているので注意が必要でもあります。いずれにせよこれも東京なんだと、ただそれだけを確認できる場所です。

決して埋められたくないロケーションでしょ?
