春だなあ

「配送時間は前日中にご連絡します」と説明された電話があったのは、想像よりうんと遅かった午後8時過ぎ。もしや待ちわびた洗濯機が届かないのではと焦ったものの、家電量販店の配送専門を名乗る人の口調が丁寧だったことに加え、こちらのリクエストが通らない配送時間が、予定されていた電話取材の11時半前だったので、こりゃナイスと。
翌日の午前10時半に洗濯機が到着。配送と設置を行ってくれたのは二人の中年男性で、体格の良さに相反すると言えば失礼ながら、前夜の電話そのままに態度も作業も真摯。1日中配送に追われて忙しいだろうと思いつつ、外した洗濯機の下の、あれは何て言うんだろう、受け皿みたいな場所を掃除したいと申し出たら、「もちろん、その時間は取らせてもらいます」と返してくれた親切に感謝。
洗濯機の交換は30分で終了し、11時半からの電話取材には余裕で対応。その原稿をあらかた書き終えた午後1時半過ぎ、新しい案件発注の電話が。それは手放しでよろこばしいけれど、よりうれしかったのは、依頼してくれた担当者と仕事の真髄に触れるような話ができたこと。彼は今もまだ十分に若者ながら、10年近く前に出会ったときの風体や業務のつたなさを思い出すと、長くやっていればこんな日が来るんだと感慨しみじみ。
電話取材の原稿を添付したメールを送る頃には日差しの気配が強まったので、いざ洗濯。新品の洗濯機は、当然のことながらすこぶる快調。以前よりすっきり洗えたような洗濯物を干すと、Tシャツやらパンツやらも気持ちよさげに風とダンス。
なんかオレ、心が軽くなってないか?
いやいや、こんな程度でハイになるのはあまりにチョロくないか?
でも、幸福の実感なんて、そんなふうにささやかな連鎖がもたらすもんだろ?
などという、鼻歌がBGMになりそうな自問自答をしたのが、昨日の午後。春だなあと思いました。その刹那、缶ビールをプシュッとしなかったのが、唯一の軽やかな後悔です。

桜もいいけれど、菜の花の黄色もね。

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