デジタルと一朝一夕

コロナ禍で浮き彫りになったのは、日本のデジタル力の低さだと聞きました。新型コロナという世界共通の条件に晒されたので、余計に海外との差がはっきりしたのでしょう。非接触でもことを成すのがデジタルの強みだから、感染症ともなると力量の違いが命に関わったりします。それゆえ今後の挽回には大いに期待したいわけですが、一朝一夕とはいかないみたいです。特にたくさんの朝夕を過ごしてきた方々には。
母親のもとに3度目のワクチン接種のお知らせが届いたのは、たぶん先週の話。前回同様、自分で予約を取ると言い出した時点で嫌な予感がしました。であれば、倅が先回りして何らかの手を打つべきだった……。
2度目までと同じ病院に何度電話してもつながらないので、これまた前回同様に直接出向いてみたそうです。僕なら徒歩15分未満の距離。膝がよくない母親なら、おそらくその倍の時間はかかるでしょう。でも、行くんです。それがあの世代の典型的な行動パターンだから。
結局のところ、その病院ではまだ3度目の接種予定が決まっていないそうな。病院側はきっとホームページで情報を発信していたはずです。しかし、デジタルを嫌いがちな高齢者はまず電話。それで回線がパンク。だから病院に向かうというアナログでフィジカルな手段を取る。
「窓口で怒鳴っていた人もいた」と言った母親も、「わざわざ行ったのに」と愚痴っていました。それは高齢者にとってデジタル関連を相談できる人がそばにいないという現実が招いた結果なのかもしれません。反省しきりです。
それでも、接種開始を伝えるホームページの情報が記された紙はもらってきてくれました。自分では対処できずとも倅たちなら何とかしてくれるだろうという判断です。賢明です。助かります。デジタルの遅れを揶揄するよりも前に、今の僕らにできることはあるぞと、杖を突いてでも歩いていく母親に教わった気分になりました。一朝一夕の違いを思い知らされるみたいに。あるいは無理させたくないならなおさらに。

こんな時期にもめげずオープンする店があります。応援したいです。何屋さんか知らないけど。

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