キスの日と言われても

今日はキスの日だそうな。ふへぇと小さく唸りたくなりますね。1946年5月23日、「日本初のキスシーン登場!」と喧伝された『はたちの青春』という映画が封切らたことにちなんでいるらしい。この国で接吻行為のパブリック鑑賞がよいとされてから76年。その数字にどんな意味を感じればいいんだろう。
キスシーン公開を指導したのは、当時の日本を占領していたGHQというかアメリカだったそうです。その背景にあったのは、これからはこの国も堂々と感情表現すべきとした彼の国の思想改造施策。とは言え日本映画界は慣れていないものだから、消毒作用があるオキシドールを含ませたガーゼを俳優の唇に挟んでキスさせたんですって。そこまでしなくても……。
アメリカ人は堂々とキスする。日本人はこそこそする。これは文化の違いなので、均そうとするのが土台無理な話です。じゃ日本人は品行方正でスケベじゃないかというと、そうではないと思います。江戸時代のエロ本だった春画などは、グロいほどにヤラしいですからね。それがこっそり見るものであっても市中に出回っていた点で、日本人は世界でも稀なむっつりスケベのはずです。
おそらく日本人の性に関する感性は、あえて陰の側に置き、言わぬが花の部類に留めてきたんじゃないでしょうか。たとえば着物の裏地こそ艶やかに仕立てるみたいに。その根付きを解くのは容易じゃなく、だから今もって世界の中で性教育の遅れが指摘されるのもむべなるかなだろうと。すべては、むっつりスケベの自覚を持つ僕の個人的な考えです。
映画のキスですぐに思い出すのは、ちょっとベタですが『ニュー・シネマ・パラダイス』です。(ネタバレご注意)シチリア島の田舎の司祭の検閲でカットされたキスシーンのフィルムを、大人になった主人公が懐かしく眺めるラストが有名な作品でした。あれも時代設定は先の大戦の終戦間近で、カットされたのはアメリカ映画だったんですよね。ふむふむ。
そんなこんなで、キスがお題でもそこそこ書けるもんだと我ながら感心。しかし、キスの日と言われてもどうすればいいかはわかりません。「じゃ」ってのも、ねぇ。

悪気の欠片もなく「ご無沙汰!」って笑いかけてくるみたいな空@横浜。

 

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