差し迫った機会が訪れないと、改めて考えることがないものがこの世には多いみたいです。今回はタイヤ。
人類が車輪の原型を発明したのは紀元前までさかのぼるそうな。その車輪に、走行中の衝撃を和らげるためゴムをはめ込んだのは19世紀の中頃。さらに乗り心地をよくするため、ゴムの内部を中空にして空気を入れたタイヤが初めて使われたのは1895年。
そこから約130年の間には様々な開発が行われ、丈夫で乗り心地のよいタイヤが次々につくられてきました。けれど、ゴムと空気を使う基本構造に大きな変化はないまま今日に至っています。
それって、よくよく考えると凄いことだなあと。だって、クルマ自体はエンジンではなく電気モーターを動力源とする画期的な進化を遂げているのに、走る力を、または止まる力を地面に伝えるのは、今も昔もタイヤですから。
空気入りタイヤには、大きく二つの弱点があります。一つは空気漏れ。原因は様々ですが、走行中に釘のような硬くて鋭利なものを踏んでしまうと、いわゆるパンクに陥ります。そうなる確率は低いけれど、ゼロではない。もう一つは、ゴムという素材ゆえ不可避な摩耗と劣化。残念ながらタイヤというのは、使い込むほどに味が出るものではなく、減るほどに性能を落としていきます。そして摩耗が限界に達すると、パンクならまだしも破裂する恐れもある。さらには、使わずとも経年変化による品質劣化が避けられない。クルマ屋さん曰く、そんなに走らずとも4~5年で交換してほしいそうです。
極端なたとえ方をしますが、パンクは事故死。摩耗と劣化は寿命。いずれにしても、比較的短命な部品を使った乗り物を僕らは利用しているわけです。その事実を忘れると、今日や明日の予定がすっかり変わります。これはクルマだけでなく、オートバイや自転車も同じです。
僕のタイヤは、4本すべてがとっくに寿命で、そのうち1本が事故死となった結果、全交換となりました。褒められるところのない話ですが、皆さんの愛車も時にはタイヤに目をやってみてください。僕のオンボロは、タイヤだけピカピカになりました。

黒いから表情が読みづらいと思いきや、古いほうはくたびれ方が顕著だった。お疲れ様。
