有休

「有休はうらやましいよね。働かなくても給料がもらえるなんてさ」
これは、飲み屋あたりで僕らフリーランスが時折口にするセリフです。そんな、落としどころがどこにもないただの愚痴をこぼすときには、ほぼ必ず有休が取得できる会社員がそばにいます。いるから愚痴るのだけど、彼らはたいがい「こいつら何言ってんだ?」という表情を浮かべながら口をつぐみがちになります。僕らとしては、「好きで選んだ道だろ!」とツッコんでもらうのが正解なのだけど、権利を持たない者を気遣うような心持にさせるなら、僕らのほうこそ口を慎まなければなりませんね。
正式名称は、年次有給休暇。ここでは給料が有りの休みという語感を生かして有休としましたが、有給と略しても意味は同じだそうです。法律には、「法人は従業員に対して年5日の年次有給休暇を取得させる義務」があるんですってね。5日というのは存外に少ないと僕は今驚いています。組織によってはそれ以上の有休を保証していると思いますが。
その有休の取得実態。昨年10月に厚生労働省が発表したところによると、2021年の取得平均日数は10.3日。平均取得率は58.3%。いずれも前年比増らしいのですが、過労死防止大綱で政府が目標に掲げる「25年までに70%以上」には大きな開きがあるみたいです。
再び「ふ~む」となってしまいました。平均で10日って、月に1日ない計算ですからね。なおかつ4割くらいの人が取らずにいる、あるいは取れずにいるなら、制度自体が崩壊していると言えなくもないでしょう。とすれば、元から権利を持たないよりも、権利がありながら行使できない事情を抱えているほうがしんどいですよね。だから彼らは僕らの愚痴に口をつむぎがちになるのか。いやもう、この話題は酒の席であってもご法度にしなきゃいけないな。
有休と無縁ながら、自分の無神経さに気づけた点で、あれこれ調べてよかった。1年でもっとも1カ月が短い2月の最終日に当たって、それは僕らフリーランスにとって稼働日数の減少を意味するのか、はたまた会社員の月給計算においては有利に働くのか、そんなことを考えたところからこんな話題になりました。いずれにせよ、例によって今月もあっという間に過ぎようとしています。

近所にも素敵な塔。

 

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