僕の住む地域では明日に選挙投票があるので、今週あたりは立候補者による活動が盛んでした。部屋の下の道路は、例によって賑やかでしたよ。妙に暑い日が続いて窓を開けていたこともあり、メッセージというか祈りというか叫びがドップラー効果を伴いながら机の脇まで届いてきて、申し訳ないけれどかなりうるさく感じました。
それでいいのかと思ったりします。有権者の多くが働きに出て自宅にいない昼間なのに。なおかつ聞こえているヤツには煩わしがられるのに。いいのか、どうせ走りながらで何を言っているのかわからないから。
選挙活動の方法って、あまり変わらないんですね。応援に駆け付けた首相が大変な目に遭っても。または首相の周りにいた人が危険な目に遭いそうになっても。
ひとつだけ、いつもと違うスタイルを見ました。これまた部屋の下の交差点の角に立って、演説めいたものをされた立候補者がいたのです。フ~ウ~ンみたいなドップラー効果を引き起こさない分だけ名前や経歴が伝わりやすいので、ある程度の成果が挙げられるのかもしれません。とは言え、気づけば突然始まるので騒々しいのは変わらず、名前を覚えているかと言えばそうでもなく……。
辻説法というんでしょうか。辻演説? 街頭演説でいいのか。さておき、改めて辻について調べました。道路が十文字に交差しているところを指す言葉。なので、件の交差点はまさに辻。ただ、道端という意味も含まれているので、辻説法といった場合は交差点に限らないみたいです。
裁縫の世界にも辻があるようです。縫目の十文字になる箇所。そこに着物の端や裾を指す褄を合わせると、辻褄(つじつま)という熟語になります。正しく仕立てられた着物は辻褄が合っていると、そんな使い方をするのだと思います。
なるほど。辻の演説の褄が政治的にちゃんと合っているかを確かめるのが僕ら有権者の務めなんでしょうね。それを試されるのが選挙でもあると。でもなあ、たいがいはドップラー効果に消えていくしなあ。いろいろ考えながら投票所に行こうと思っています。

1枚単位では目立とうとしても集合すると埋没するのも毎回同じですよね。オレは否定的だな。
