エリックさん詣

3月30日の誕生日に、勝手にお祝い文を書かせてもらったエリック・クラプトンさま。22日の土曜日、無事にご尊顔を拝むことができました。いやまぁ、ライブを観ただけですけど。なおかつご尊顔って大袈裟と思われるかもしれませんが、あれはやはり降臨と呼ぶべきお姿でした。
海外アーティストによる初の武道館100回目を含む今回の来日公演。しかし、ご本人にとっては「ああ、そうなの」くらいの、さして重要な話題ではないはずです。それよりも大事なのは、今も自分の説法に耳を傾ける人々が存在することではないでしょうか。
いやまったく、もはやエリックさんの演奏は説法そのものです。過去の名曲をひたすら繰り返し、どの公演もきっちり1時間半程度で済ませてステージを去っていく。S席が2万円でA席が1万9千円と、チケットは決して安くないんです。それでもオーディエンスは誰一人不満を感じない。
若いバンドのような、うねる盛り上がりはありません。それは、来場者の平均年齢が高いせいでもあるのだけど、みんな聞き入ってしまうのです。なぜなら、これが最後の説法になるかもしれないという希少性を感じ取り、その一挙手一投足を見逃すまいと真剣に見聞きするからでしょう。だからやっぱり今回のツアーに集まったのは、エリックさんを詣でた信者ばかりと言っていいと思うのです。
以上は、過去の武道館公演の流れを汲んだ事前予想でもあり、実際に土曜日のライブも予想通りの空気に包まれていたのだけど、少なくとも前回より信者オーディエンスがより聞き惚れることができたのは、演奏そのものが素晴らしかったからに他なりません。ご本人にすれば、数えるのも面倒なほど何度も繰り返し弾いてきたフレーズだと思います。なのに今回は、全体的にとても滑らかで、なおかつ小さく弾く箇所での微細な余韻がどこまでも美しかった。声もよく出ていらっしゃった。
すべては「78歳なのに?」という前提ありきの感想かもしれません。一方で、その年齢に達しないと表現できないものを見せられたような気もします。いろいろそれっぽく喋っていますけれど、開演時間ピッタリにステージに現れたお姿を拝んだ瞬間に打ちのめされたのです。後光のような照明を背中に浴びた、凛々しい立ち姿。神様、って心の中でつぶやいてしまいました。
今回最後の説法は本日。間に合うようなら、ぜひ。

開演90分前のステージに立つ。いい仕事だな。

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