空間整理代

先日お伝えした「身軽への希求」の続報。そんなわけで、最初に取り掛かった蔵書の整理はひとまずの決着を見ました。本の出張買い取り業者に手渡した段ボール箱は、最終的に10箱。いちいち数えたら情がわきそうなのでばんばん箱に放り込みましたが、1箱に20冊は入っただろうから200冊は越えていたと思います。いや、重かった。
その処分数を確定できたのは、残す本たちがひとつの本棚に収まることを物理的に確認したから。実際は10冊程度の写真集などがあぶれましたが、予想を下回る冊数だったので、まぁ何とかなるでしょう。
僕が話さずともご存じの方が多いと思いますが、業者に手渡した本は価値が算定され、後に買い取り総額が振り込まれるそうです。一般的に売れそうもない本ばかりだから、金額は一切期待していません。とにかく、身軽になりたい僕の気分を救うため、わざわざ家まで来てくれただけで感謝です。
そうして空になったひとつの本棚。すぐさま家具の買い取り業者に連絡し、本を手渡した翌日に出張見積りの予約を取り付けました。やると決めたら一気呵成。僕には、潔いというより極端なところがあります。ただ、いくつか誤算が生じました。
これは完全に僕の勘違いです。出張と同時に運び出してくれると思っていたら、見積りだけでした。最初からその約束でしたね。なので、身軽になりたい気持ちが一段ギアを落としました。さらに、部屋に上がった業者の感じのいい青年が本棚に触れた瞬間、すっと真顔になったのを見て、すべての衝動にブレーキがかかりました。
「何年くらい使ってます?」
とっさに20年くらいと答えました。本当は30年なのに、なぜ嘘をついてしまったんだろう。
「木製家具は仕方ないのですが、だいぶ水分を含んでしまっているので、このまま再販はできません」
プロの判定とはそういうものなんでしょうね。結局、廃棄する他にないと説明を受け、処分費用の前金を支払うことになりました。異存を覚えなかったのは、彼の丁寧な口調と納得できる金額の他に、領収書の但し書きが新鮮だったからです。
空間整理代。そういう科目があるなんて知らなかったのだけど、僕の身軽になりたい心持ちって空間の整理だったんだと思ったら、気持ちいいくらい腹落ちしたのです。頼んでみるものですね。ああ、すっきりした。
本棚は今日引き取られていきます。そのあとには、ささやかながら自由なスペースが現れる予定です。

なぜか目に留まってしまう紫陽花の亡骸。

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