祖母「お年玉をあげられるのも今年が最後かねぇ」
孫娘「お正月から縁起でもない」
母親「もう大人なんだから、来年はないってことよ」
この配役の祖母は僕の母親。孫娘は姪で、母親は義理の妹。以上は、つい先日耳にした、わりとリアルな会話です。
3人の会話を黙って聞いていた僕は、母親の発言にブラックジョークの意味合いはないんだろうと思いました。「早くお迎えがくればいいのに」みたいな、比較的健康な老人が時につぶやく自虐的なセリフを口にしたことがないからです。理由はわかりません。まだまだ存分に生きるつもりなのかもしれないし、倅が顔を曇らせるような愚痴は控えるよう心掛けているのかもしれない。
では母親の発言の意図とは? 次男の嫁の返答そのままに、独り立ちしたらお年玉は終了するものという考えに則ったのでしょう。後日、というのは昨日ですが、僕の推察が的中したことを知りました。定期的な診察で病院にむかったとき、孫たちの現状を勘違いしていた事実が判明したのです。
「なら、やっぱり来年もあげなくちゃいけないのか」だそうです。
一方、「縁起でもない」と即座に返した姪の心中を推し量るのもなかなか興味深いんですよね。彼女には間違いなく「そんなこと言わないで」という祖母に向けた気遣いがあったはず。けれど、それだけではないでしょう。以前から、自分の兄がもらえるうちはもらわないと不公平という発言を繰り返していたので、姪にすればまだまだお年玉が欲しいし、あるいは祖母が亡くなるとは思っていないのかもしれません。
これが、僕を取り巻いた今年の正月の現状。あらゆる変化を受け入れる覚悟をした上で、少しでも長く維持できたらと思いました。しかし、20歳そこそこで縁起でもないって言葉を言える姪は、けっこういいな。

デゴイチに正月飾り。愛されていてよかった。
