「人は人生で平均4回しか引っ越さない」とテレビCMに切り出されて、思わず自分のそれを数えてしまいました。たぶん6回。平均値を上回っていたんですね。特に驚きませんが。
さておき6回中3回の引っ越しは、両親の判断のみで実行された子供時代のものです。残り半分の3回は、いわゆる自分のライフステージの変化に伴った積極的な転居。仕事拠点との距離や、生活に支障がない家賃などの諸条件には悩まされたものの、どの町に住むか自由に選べた引っ越しでした。
しかし、大人になっても自分以外の事情や判断で転居に迫られる人は少なくないでしょう。そういう場合でも生活全般における条件は無視できないから、場所探しの厄介さ、ないしは不自由さは際立っていくと思います。特に土地勘のない場所ではなおさらに。
そんな局面によって、結果的であれ誰も知らない場所に移り住んだ人の勇気には感服する他にありません。この前会った人は、500キロ以上も離れた町から東京に移住する際、町選びはハザードマップなどを利用し、部屋は内見できないままネットに頼りきるしかなかったそうです。ハザードマップを調べるというのは初耳だったな。極めて堅実ですが。
さらにその人を称えたいのは、やむを得ずの引っ越しで住み始めた町を知ろうと励む逞しさです。自ら歩き回って様子をうかがう。時には常連でにぎわう店に飛び込んでみる。勇気が必要だと思うなあ。場合によっては嫌いになる理由と出くわしてしまうだろうから。
良きにつけ悪しきにつけ、そんな出会いの新鮮さを何度も味わいたい人は、自らの意思で何度も引っ越しするのかもしれません。逆に現在の町が好きになってしまったら動く気が起きず、「そう言えばオレは何回だっけ?」と急に引っ越し回数の平均値が気になり出すのかもしれない。
どの町も暮らしてみなければわかりませんが、住めば都ではなく、都にしていく努力は欠かせないんだろうと思います。

日が伸びたなとつぶやいた午後4時半。
