手を動かすこと

時代遅れに苛まれるとき、いつも僕を救ってくれるのはホムンクルスの図です。ご存じの方も多いと思いますが、ホムンクルスの図とは、ペンフィールドというカナダの脳神経外科医が描いた、脳の部位と身体の機能の対応関係です。よかったら『ホムンクルスの図』で検索してみてください。平面図と、それをもとに立体化した人間の姿が確認できます。
この図の最大の特徴は、脳における感覚器の重要度を示すため、重要な身体部位ほど大きく描かれるところです。そのホムンクルスで他を圧倒するほど巨大化しているのが手。これが意味するのは、脳は手を使うために多くの面積を割り当ているので、手を使うほどに脳は活性化するということ……。
思い当たる節があります。仕事で人の話を聞くとき、僕は手書きでメモをするのですが、最近の若い子たちはスマホを使います。そのほうが速記できるらしい。旧式の僕にしたら「ひぇ~」だけど、しかしその場でデータ化したほうが後々便利なのは確かなんですよね。僕も、ごく稀に音源から文字を起こす場合はPCを利用します。ただし、それでデータ化した文字には思い入れが沸かないというか、物語性を感じられません。だから、いざ書こうとすると内容の凝縮や筋道の立て方に苦労します。
一方、手首を痛めながら大事なキーワードだけ記したノートを眺めると、不思議と相手の表情や声まで思い出せるのです。それは文字の大きさを変えるなど、自分なりの表記法が記憶の再現を助けているのだけど、何というか、リアルタイムでメモしている場面や、それを読み返すときには、手に脳があるような感じになるんですね。まさにホムンクルスの図そのままに。
いやまぁ、単なる慣れの問題だろうとも思います。あるいはスマホやPCを使っても指先は動かすから、それで脳が指先に宿るような感覚を覚えるのかもしれない。となれば、現代人のホムンクルスはまた別の形態を示す可能性もあるのでしょう。
それでも僕が信じられるのは、手を動かすこと。周辺機器がいくら進化しても、脳と確実につながっているのは身体の各部だから。旧式を改められない言い訳ではなく。
(今日の話、以下の工作体験が元になっています)

左は、5年前に購入したキャッチャーマスクの顎パッド。破けるし変な匂いがしてきたので替えたかったが、日本未発売モデルなので交換パーツ入手困難。そこで、右の一般的な顎パッドから代用品をつくることを決意。

切り貼りして完成したのがこちら。左右のずれはあるけど、使用に耐えそう。何をお伝えしたいかというと、「自分の手を動かしてつくろうと思ったオレ偉い!」です。

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