スーツで働く新社会人の方々には

昨年末以来だから3カ月ぶりに髪を切りに行ったら、出迎えてくれた男性スタッフに「今日は貸し切りですよ」と言われました。聞けばその日は複数展開している店の入社式があり、多くのスタッフがそっちに向かったんだとか。
ん? 商売より自社の式典のほうが大事か? それなら全店お休みにしたほうがよくないか? などと今になって店内の客が僕だけになった理由がわからなくなってきました。他社の入社式の出張ヘアメイクにスタッフが駆り出されたのか。そっちのほうが辻褄が合いそうだ。僕の聞き間違えか、彼の説明下手か。まぁ、どっちでもいいのですが。
いずれにせよ、髪を切った頭に入社式というキーワードが注入されたあと、取材でさらに都心部へ。地下鉄からJRのホームへ進んだら、いかにも新調したっぽい黒のパンツスーツをまとった若いお嬢さんを何人か見ました。新年度初日の文脈に添えば、彼女たちは入社式帰りなのでしょう。しかし、若い子が地味で個性を殺した服をまとうと、奇妙にも初々しさが滲み出ますね。
そうして女性を見かければ、同じように男性の新人さんを探したくなります。そちらは取材後の午後6時過ぎのホームで何人か目にしました。予想通り、男子のほうが着慣れていない感が顕著でした。
ネクタイにスーツって、上手に着こなすのが難しいですよね。僕もそうでした。ええ、僕にも遠い昔、新社会人となってスーツをまとった日があったのです。とても嫌でした。今日から社会人と言われても、昨日までガキの顔にスーツはまったく似合わない。なおかつ、着るのではなく着させられている感があまりに強くて、当時はそういう儀礼的な側面だけで社会人のしんどさを味わった気分になりました。結局のところ、スーツじゃなくてもかまわない仕事に就きたくて、今に至ったところがあったと思います。
いやいや、服装だけで職を選んでいいはずはなく、むしろ身なりより中身のほうが大事なわけですが、当分はフィットした感触を得られないスーツで働く新社会人の方々には、着慣れないままくたびれていくことがないよう願うばかりです。頑張ってね。

初めて東京に来て入社式を迎えた人は、こんな景色をどう見ただろう@聖橋。

 

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