あんぱん/アンパン/餡パン

今日は『あんぱんの日』。1875年(明治八年)の今日、明治天皇が水戸邸の下屋敷に花見で訪れた際、木村屋があんぱんを献上したことに由来しているそうな。木村屋とは、現在は木村屋總本店という名の銀座が本店の老舗パン屋。創業は1869年(明治二年)で、その5年後の1874年にあんぱんを独自開発。翌年には天皇に食べていただけたのだから、相当な企業努力があったのだろうと推察します。
その献上品のあんぱんのトップにあしらわれたのが、奈良の吉野山から取り寄せた八重桜の花びらの塩漬けだったそうです。あったな、桜のあんぱん。あれは木村屋発祥だったんですね。
ところで、あんぱん。木村屋は平仮名表記を商品名にしたようですが、僕のPCで打つと最初にアンパンと出ます。それは僕の癖を学習した結果だろうし、一般的な表記も片仮名が多い気がします。そのあたり、面倒臭くも突き詰めていくと、あん/アンは日本古来の餡で、ぱん/パンは外国由来だから、餡パンとするのが正しいかもしれません。いやいや、それこそ面倒臭いか。ただ、あんぱんであれアンパンであれ餡パンであれ、この小さな食べ物には日本特有の文化が凝縮しているのではないかと思うのです。
英語ではブレッド/breadのパンは、戦国時代にポルトガルからやってきた宣教師がカステラとともに持ち込んだパオン/Pãoが起源らしいんですね。それが庶民の口に届くまで数世紀を要するわけですが、そのパオン由来の食品に小豆を加工した餡を入れて焼くというのは、いわゆる和菓子の発想です。そういう外国文化を自国流儀でアレンジし、なおかつ昔から自国にあったような文化に仕立ててしまう。
この前会った台湾出身のアーティストは、外来語をカタカナにして日常会話に取り組むところに日本のおもしろさがあると言っていました。だからやっぱり海外でもバレているんです、日本人の器用さというかズルさは。
「また屁理屈こねてる」と呆れたでしょ。僕自身もそう思う。美味しければいいですよね。何しろ僕は小豆が大好きなので、あんぱんは好物です。ちなみに粒あん派。ミックスカルチャーに思いを馳せる上でも、今日はできれば木村屋の塩漬け桜の花びら付きをいただけたら最高です。

このシュールに様変わりした建物、前は何だったっけ@御茶ノ水。

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