速すぎた人

「そんなに経ったのか」というのが率直な感想です。
今日は、アイルトン・セナの命日。今から30年前の1994年5月1日。その年のF1グランプリ第3戦サンマリノGPのレース中の事故で亡くなりました。このときのことはよく覚えています。
当日は仕事だったので、深夜から始まるテレビ中継を予約録画して外出。なんやかんや忙しく働いた後、午後11時過ぎに帰宅中のクルマのラジオが第一報を伝えました。すぐにスイッチを切ろうと思ったのです。これから見るレースの結果を今教えられるなんて勘弁してくれと。ただ、ラジオがテレビの情報をフライングして報じるほど当時のF1グランプリの人気が高かったわけではないので、とても奇妙な感じがしました。だからコンマ2秒ほど考えて、今から思えば臨時扱いだったニュースに耳を傾けました。それが突然の訃報だった。
それから数日間に渡って僕を支配した喪失感も、すぐに思い出せます。31歳でしたから、それ相応に人の死を経験していたはずなのに、それほどショックを受ける理由がよくわからなかった。しかも取材で遠くから眺めたことはあっても、間近で言葉を交わしたことのない人だから、なおさら自分の感情の理不尽さに悩まされました。とても大きな観点に立てば、それはセナが教えてくれた人生の悲しみなのかもしれません。けれど彼にはもっとレースを続けてもらって、別のことを教わりたかったです。
という感じで、あれから30年経っても、それこそ自分でも驚くほどにいろんなことが鮮明によみがえります。その記憶の中にダイブすれば、そこでは彼がまだありありと生きている実感を得られるほどに。
アイルトン・セナに関してはいろいろ話したいのだけど、何にせよ速すぎた人だから、30年の猶予をもらっても思いが追いつきません。今日は一人でしみじみと、そして自分のペースでのろのろと、僕のアイドルを偲ぶつもりです。

僕がセナを初めて見たのは、このレースでした。当時のブックレット、まだ持ってた。

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