よく行く飲み屋でこれから務める大学1年生は、それが人生初アルバイトなんだそうです。「高校時代は部活と勉強が忙しかったので。それと、学校がバイト禁止でした」って、真面目ね。僕の高校も禁止だったけれど、長い休みは隠れてやって、ギターとかオーディオセットを買ったけどなあ。いやしかし、聞けば現在通っている大学は名門なので、立派に文武両道で頑張ってこられたのだと思います。
そんな彼が生まれて初めて稼ぐ場に選んだのが飲食。以前から興味があったらしい。この業界でのバイトは多くの人が経験していると思いますが、僕は未体験です。理由は、接客というものができる気がしないから。ましてや、自分で飲食関連の接客業をやる考えはまったくありません。
だって、嫌な客が来たらどうします? 僕には、あらゆる犠牲を払ってつくり上げた自分の店にそんな人々を置いておける度量など、おそらく生涯身に着かないと思うのです。
転じてカスタマーハラスメント。省略形のカスハラは、耳触りが気持ち悪くて仕方ない。報道で知らされるその実態もまた、気分が悪くなります。受け取り方次第というのがハラスメントの逃げ道だけど、客というだけで、あれほど横柄なまま他者の尊厳を踏みにじれるなんて、確かに言い訳を許さない犯罪に定めたほうが世のためです。
あるいは、客にすれば許し難い行為があったのかもしれない。しかしカスハラは、金銭授受の流れに基づく主従関係がいきなり立ち上がることが原因になるのかもしれません。でも、客という立場ってそんなに偉いもんですかね。
店側は、いくら無茶を言おうと匿名的な「お客様」の御機嫌を損ねてはならないしきたりに則るんだと思います。しかし、それが実名を知っている「田村十七男」だったら、迷わず通報できるんじゃないでしょうか。すでに客ではない、ただの乱暴者に過ぎないから。
自分に立場が宿った途端、一方的に上からものを言う人間になってしまえるのは、やっぱり怖いですね。それから、なぜ人々はこうも怒りっぽくなってしまったんだろうという不安も。
僕が飲食関連の接客業をやれない話に戻ります。逆に、好きな人が店に来てくれたら、「今日はいいよ」とお金がとれなくなる不安も大きいんですよね。そんなええ格好しいの性格によって店をつぶした方もいると聞いたので、やはり僕に接待業は難易度高すぎだと思います。

雲の存在なくして空が豊かな表情を持つことはできない。名言っぽく言ってみた。
