噂なんてねぇ、という話をします。
人に会って聞いた話を原稿にするのが僕の仕事の軸ですが、誰に会うかを僕が決めることは9分9厘ありません。すべてはクライアント、または制作会社の意向次第。なので、一も二もなく誰でも「よろこんで!」
とは言え若い頃は、相手のプロフィールや立場に臆したり、あるいは妙に気合いが入ったりしていました。けれどインタビュー取材において、聞き手の気持ちなど無用の長物。自分の役割を正しく認識できれば、感情はフラットになる。これは経験の賜物ですね。
さておきどんな取材であれ、相手の情報は一定量を調べて臨みます。どこまで知っておくかは判断が難しいけれど、基本的には企画の周辺域に留め、あとは出たとこ勝負。実際に会うまでわからない部分を残しておくほうが、聞き手としても新鮮な発見に驚ける余裕を保持しておけるから。
なのですが、時に「あんな人」「こんな人」という、耳に入れなくていい情報を与えられる場合があります。直近の例では、全国トップレベルの成績を誇る営業所の社長さん。聞かされたのは、「気難しくて怖いらしい」という態度でした。この仕事のクライアントは資材メーカー。各営業所は資材を買ってくれるお客さんゆえ、相応の気遣いがあったのでしょう。そのあたりは想像がつきます。なので、僕はこう割り切ります。
それは彼らの関係性に過ぎない。僕は僕ですべき仕事を果たせばいい。なんとまぁカッコいい。できれば余計な情報は知らないままでいたい、というのが本音ですが。
すべて噂レベルでした。少なくとも、取材を快諾された方と、遠路はるばる(件の営業所は九州)足を運んできた聞き手との間に、不快な雰囲気は一切漂わなかった。そりゃそうです。全国トップレベルの成果を挙げる人が、直接的な利害が生じない相手に不遜であるはずがない。
そんな状況をいくつも経験すると、噂はゴミ箱へ。自分が受けた直接の印象だけを信じればいいという、ごく当たり前の結論が強固なものになっていきます。噂となる情報に心温まる話はないですもんね。その類は全無視。それで問題ないと、僕は思っています。

午後5時からの野球。いよいよ「さぶっ」って気候になりました。
