負い目と意地の交錯

ヒマなのか、禁断の時事に気を取られがちみたいで、少し前のこんなニュースが目に留まりましたがありました。
「今年1月から11月までの訪日観光客数は過去最高の3338万人。対して過去最低なのが、116の国と地域の中で92位となった日本人の英語力」
最高と最低を併記して原稿をまとめた人は、ちょっと得意げかもしれませんね。こういう事実のカップリングは見逃せないし、僕でも同じように書くでしょう。しかし、英語力の低さを示された率直な感想は「はて?」。だからどうしろっていうんだろう。
僕はとうの昔に外国語を諦めました。その習得のために時間を費やすなら、仕事で使う日本語のさらなる習熟に努めたほうがいいと判断したから。加えて外国人にインタビューする場合も、専門の通訳さんをお願いしたほうが賢明です。
そりゃね、自分で外国語を使えたほうが便利だとは思いますよ。しかし、元より語学センスが乏しいので、変に抗うことはしませんでした。そのせいで仕事の幅が狭まったとしても、バイリンガルだった仮定のケースと比較しようがないから、気にしたところで何も始まりません。だからすっきり。なのだけど……。
場面は転じて、よく行く近所の飲み屋。最近は外国人のお客さんが増えています。それは観光客の増加に伴う傾向ではなく、飲み屋の近所に住む日本駐在の外国人会社員が気軽に飲める店を見つけ、仲間に紹介した結果みたいなんですよね。しかも国籍はバラバラ。この間はドイツ人とスペイン人と、厚手のジャケットを羽織りながら下は半ズボンとビーサンのインド人がいました。
そんな彼らが使うのは、ネイティブな母国語とカタコトの日本語と、おそらく職業上の公用語になっている英語。そうした非日本語に囲まれながら酒を飲んでいると、奇妙にも「英語を話せなきゃ」みたいな切迫感が湧いてきて、微かだけど確実な居心地の悪さを覚えてしまうのです。日本人の英語力に関するニュースに「はて?」と強気でとぼけられるくせに。
負い目と意地の交錯? その件について考えると塞ぎ込みそうになるので、ひとまず僕はこの先も「はて?」で通します。特に楽しく酒を飲みたい場面では。

サザンカなのかな。こんなに寒いのにわんわん咲いてくれてる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA