甥や姪と伯父

つい先日、甥から「無事に大学を卒業できました」というメッセージが届きました。正月に会ったとき、僕に「どうなんだ?」と聞かれたのを覚えていて、ちゃんと伝えてくれたみたいです。こういうのはうれしいですね。
なかなかに気の毒な学生生活だったようです。理系に進み、大学での実験や研究を楽しみにしていたのに、コロナ禍でオンライン授業が主体となってしまった。そこで彼は、可能な限りの希望を叶えるため、一時的かつ積極的な休学を選択。その間もくすぶることなくバイトに励んでいたらしい。
そんなこんなで、いよいよ卒業がどうなるのか正月の時点でたずねたら、「たぶん大丈夫」と曖昧なことを口にしたんですね。まぁ、春からの勤め先は決まっているというので、それほど心配はしていなかったのだけど、ならば卒業が確定したら、新社会人のお祝いを贈ると伝えておきました。
もしや卒業報告より祝いの品のほうが気になって連絡してきたのか? いやいや、物欲薄めの彼だから、そうではないでしょう。それが証拠に、先日のメッセージの返信に「めぼしいものを探しておけ」と記したら、「本当にいいんだ!」と返ってきました。そりゃそうだよ。伯父は甥に嘘なんかつけないんだから。
他方、妹のほうの姪は、これまた正月に奇妙なことを言ってきたのです。「鉄板焼き、連れてって」なぜ鉄板焼き? 「行ったことがないから」ふむ……。
兄より自由奔放の度合いが強い姪ながら、これまで一度もそんなふうにねだったことがなかったんですね。すると伯父は、あれこれ勘繰るわけです。もしやオレだけに相談したいことがあるのでは?
そうであってもなくても、姪の珍しい甘えに応えずにはいられません。探しましたよ、僕の行きつけリストにない鉄板焼き屋の名店。これは2月中に実現させました。伯父にだけ話したいことなどなかったようで、ただひたすらコースをもくもく。何だかとても無邪気で呑気で、そういうのもうれしかったな。
僕は、正しい伯父の在り様を知りません。無責任っぽい言い回しを使えば、甥や姪の存在によって自動的に伯父になっただけだから。でも、彼らが20歳を超え大人になっていく段階で、頼らせたり頼られたりすればいいのかなと、そう思っています。しかし、まだ駆け出しであっても大人になると、対応には相応のコストが嵩みますね。まさかアイツら、僕が金持ちとか思ってないだろうな?

もしや? と思って梅の花を見上げると、かなりの確率でメジロがいてくれます。

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