取材の下準備で、富士山登山の遭難件数を調べました。そこで考えてしまったのです。
覚えておられる方が多いと思いますが、昨年7月の山開きに向けて、富士山を上る新しいルールが設けられました。主な理由は、夕方から夜にかけて入山する弾丸登山の防止。ご来光を拝むため、寝ずに上り続けたり、時間調整のため登山道で仮眠したり、禁止事項の焚火をするなど、弾丸登山には多くの危険があったそうな。
そこで、登下山道の利用時間設定や、1日最大4千人まで等々の規制を設けたわけです。その結果、2024年は前年度比で約91パーセントも弾丸登山をする人が減りました。
そうして決まりが導入されても亡くなる方はいます。山梨県側ルートは、前年より1名多い3名。静岡県側ルートは4名多い6名。事故に限らず、心筋梗塞などの病気が原因の場合もあるらしい。
他方、総体的に見ると、2024年の開山期間中に富士登山をした人は約20万4千人なので、死亡者総数9名は微々たるものなのかもしれません。けれど、日本一高い山に登ろうとした20万を超える人々の中で、死ぬ覚悟で出かけた人はただの一人もいなかったはずです。それでも悲劇は起きてきたし、また起こるかもしれない。想像して怖くなるのは、今年もまた富士山に登ろうとしている方々の中に、その微々たる確率に遭遇する人がすでに含まれている可能性です。
今年も富士山登山に新しいルールが追加されました。山の安全を多方面から検討する人によって再構築されたと聞きました。詳しくお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。できれば楽しいばかりがよいけれど、仮に辛かったりしても、何であれ、どうか必ず思い出を持ち帰ってください。

ほお。
