今日は『民放の日』なんだそうです。じゃ国営放送の日があるのか探ってみたら、NHKの前身の東京放送局が1925年に日本初のラジオ放送を開始した日を、『放送記念日』としているらしいんですね。放送の冠は、国営に奪われたわけだ。
『民放の日』は、民間の放送局がラジオで初の広告放送を行った1951年4月21日に由来しているので、1968年の設立当初は『放送広告の日』だったそうな。国営との違いを明記した点で、後発ならでの意地が感じ取れます。ただ、広告を謳い続けるのがいやらしいと感じたのか、1993年になって現在の名称に改められました。
子供の頃はNHKが苦手でした。国営の権威に忠実だったせいか、全体的に重くて地味で、ニュース番組も怖い印象があったんですよね。そういう雰囲気をむしろ好んでいたのが父親です。
ふと思い出したのは、『明るい農村』。現在であればコメディの予感が漂うけれど、番組名そのままに、日本各地の農村を巡るドキュメンタリーでした。でも、幼かった僕にはちっとも明るく見えなかった。そういう地味な番組を、毎朝の食卓で見せられていたのです。いつか大人になってチャンネル権を持てるようになったら、絶対違うのを見ると心に誓いながら。
一方で僕の幼少期の民放は、今で言うアニメが強力コンテンツでした。これは父親が嫌がったので、かつては大人国営vs子供民放という構図が確立されていたんじゃないかと思います。
今はどうなんだろう。ひとつ言えるのは、NHKに対する僕の偏見がだいぶ薄らいだというか、場合によってはNHKを選ぶ状況になったということです。年齢もあるだろうし、NHKの番組づくりが変わってきたところもあるんじゃないでしょうか。
あ、民放を応援すべき日だった。いずれにせよテレビ好きは、世情がどうあれ放送日が待ち遠しくなる、丹精込めた番組を期待します。その文脈で言えば、放送終了直後にネット方面で再放送を流す仕組みはどうかと思うけれど、とにかく全局に頑張っていただきたい。『明るい農村』、今だったら興味深く見られる気もするな。

遥か彼方は局地的に降っていることを示す、嫌味な空模様。
