「いくつになっても」

ウチの野球チームの最年少から、奇妙な誘いを受けました。その名も『内野守備練習会』。野球に興味のない方には内容が伝わり難いでしょうね。野球という競技は、点を取る攻撃と点を取らせない守備がはっきり分かれているのですが、この会は、守備の中でも1塁、2塁、ショート、3塁の内野4ポジションのみ、2時間ひたすら打球を捕り続けるというものです。
そんなこんなで局所集中の練習会ですから、どれだけ参加者が集まるんだろうと思っていたら、野球を愛するあまり変態になってしまった人間は少なくありませんでした。まぁ、僕のその一人ってことですけれど。
実のところ、誘いを受けた当初は気後れしていたんです。変態ばかりが予想された参加者はスキルレベルが高いだろうから、そこに自分が混ざるのはどうなんだろうと。できればヘタクソな姿を見せるのは、気心知れたチームメイトの前だけにしたい。僕という人間には、そういう意気地なしのところがあるのです。
けれど、連絡をくれたのがチーム最年少じゃないですか。で、誘われたのがチーム最年長でしょ。であれば、年若の果たし状を袖にすることはできないと思ったんです。僕には、そういう無駄に意地っ張りなところもあります。かなり多分に。
実際の『内野守備練習会』は、想像した通り変態的で、なおかつたくさんの刺激を受けました。見渡した限り、平均年齢は30代前半くらいになるのかな。若くて切れのあるプレイヤーばかり。僕は1塁についたのだけど、どこからでも唸りを上げたボールが投じられてくるのです。これは自分たちのチームでは経験できないレベルでした。
それから、おそらくたいがいの参加者が初対面同士ながら、各々のプレーに対して声援を送り合う場面が多かったのは清々しかったです。これはスポーツのとても美しい部分ですね。
僕にとってもっともよかったのは、オープンな会に参加できたこと。何かと閉じた場所に居たがりなので、こういうのはあまりなかったな。「いくつになっても」なんて慣用句の意味を実感しました。けれど翌日は全身の倦怠感で「寄る年波」のリアルに苛まれましたけれど。

今一番欲しいものは、チーム最年少が使っているのと同じバット。呆れるでしょ。

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