そんなこんなでメジャーリーグが開幕してから2カ月。自分でも意味不明な義務感に支配されながらテレビ中継を観続けているわけですが、時に実力至上主義が見せる残酷なシーンに息を飲んだりもしています。
昨日まで試合に出ていた選手が、今日はベンチにいない。怪我または休養かと思いきや、メジャーリーグの下部リーグに降格。ないしは事実上の戦力外通告で退団したとアナウンサーが教えてくれる。それは確かに、あまり調子が上がらない選手ではあったけれど、シーズン途中でアウトって、もし自分がそう宣告されたらと思うと苦しくなります。
下部リーグへの降格なら、まだ希望が持てるかもしれません。この扱いを受けるのはおよそ若手なので、もう一度鍛え直して信用を勝ち取る機会を狙えるはず。対して戦力外通告を言い渡されるのはベテランが多いんですね。相応のキャリアを有しながら現状及び今後に見込みがないなら、温めたナイフをバターに差し込むように、スルっとサクッと首を切られる。
そうした人事は、伝統的な実力至上主義社会ではしょっちゅうです。僕は毎試合の中継があるドジャースの展開にだけ触れて話していますが、他のメジャー29チームでも頻繁に行われています。なのでテレビの解説者は、こんな見方を話してくれます。
単に30分の1のチームから放出されただけ。それ以外の29チームが欲しがる可能性は十分にあると。なるほど。メジャーの選手は、そういうメンタルで野球という仕事を続けていくのか。
今日の話、今月半ばにドジャースからリリースされた、34歳のクリス・テイラーという選手の動向をベースにしています。26日、大谷翔平選手がいたエンゼルスへの入団が発表されました。ホッとしました。ですが、1年契約額が約1億850万円であるとか、ドジャースから支払われる契約金の残りが約19億円とか聞くと、自分事に引き寄せるのが馬鹿らしくなったりもします。
しかし、社会や契約の仕組みが異なったとしても、一度でも不要と見なされて再び立ち直れるかと言えば、オレならどうだろうと。そりゃ約20億円はモチベーションになるんだろうなとか、そもそもケタの違いがまるでつかめないまま、今日も残酷が見え隠れする実力至上主義を眺めるのです。

入り組んだ足場越しの曇天。今一番欲しいのは、突き抜ける日差し!
