ザラメ

小豆餡好きを公言しているものの、それほど口にするわけでもなく、気付けば甘味から遠ざかって久しくなりました。30代くらいまでは缶コーヒーをよく飲んでいたんですね。味が好きだったというより、男が飲むならという無駄な見栄が勝っていたのですが、今となっては甘い飲み物全般が苦手になりました。
理由はシンプル。それ以上、ぶよぶよの体にならないため。20代の食べ方を続けていると脂肪が蓄積する一方だと気づいた30代後半、というのはフリーランサーになったタイミングでしたが、なぜか甘味の類をすっぱりやめられたのです。
とは言え、根っこの部分から甘いものが嫌いになったかというと、そうではなかった。冒頭に挙げたアンコはやっぱり好き。仕事の都合でいつも通りの朝食を摂れないときは、「それはもう仕方ない」と妙な言い訳をして、前日からアンパンを準備したりもする。
それから、ザラメ。いやもう音が素敵。その小さく四角い粒をまぶした煎餅が、どうにも堪らなかったりするのです。
ザラメとは、言うまでもなく砂糖の一種で、白双糖(しろざらとう)という正式名称があるようです。それにしても「双」を「ざら」とは読めないな。通称のザラメは、粗目が訛った果てらしい。語源によくある説明だけど、誰が最初に訛ったのかは常に謎のままですね。
純度が極めて高い砂糖なので、一定の高温になっても透明さを維持できることから、菓子などの原料にもなるそうな。さらにこれまた誰かが?油との相性の良さに気づき、そうしてザラメの煎餅ができたらしい。歴史上の誰かには感謝の念が堪えません。
なのに辛い物好きや醤油煎餅好きからは邪道扱いされませんか。子供の頃、味覚がよく似た父親と弟から、「だから兄貴は気持ち悪い」と、ザラメ好きを頭から否定されました。それが尾を引き、今でもアンコほどには好きを公言できないでいます。
けれど、久しぶりに食べたザラメのおかきが素晴らしかった。うっかりハマって2回連続で買ったほどです。アンチは知らないままなんでしょうね。ザラメという響きが醸す郷愁を。そういうものがあるほうが人生は豊かになるのに。体が豊か過ぎになるのは困りものだけど。

何かやっぱりクレーンに惹かれるな。日暮れになるほど哀愁が漂うんだな。

 

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