掃除機に吸い込んでもらうことを勧めます。

日曜日のWBC日本戦。ああいう結果になることは予想の範疇だったというか、より正直に言えば覚悟していました。そもそもトーナメントは、勝者と敗者が2分の1の確率で出現する仕組です。ゆえに応援するチームが負の方向に飲み込まれる可能性は低くない。2分の1って、相当なものですよね。8の4ならまだしも、1万なら5千ですから。
そんな数字遊び以前に、日本の苦戦は明らかでした。大谷選手を始めとするジャパンのメンバーが証明したように、メジャーリーガーは本当に凄いのです。大谷選手につられてメジャーリーグの試合を観るようになってから、たとえば試合のダイジェスト映像ではカットされてしまう守備や走塁といった細かいプレーの一つひとつに溜息をつくようになりました。
類稀な身体能力を備えた上で、高度な技術を身に着ける努力を惜しまない者だけが生き残る世界。そんなトッププレーヤーを選りすぐって国別でチームを組めば、戦いが熾烈になるのは必至。そんな本気の状況を生み出したのが、前回大会で優勝した日本ないしは大谷選手だった。僕はそう思っています。
それを誇りとするか、皮肉ととるか。僕は前者に一票です。だから結果を受け止め、中継が終わった後、翌日でもよかった部屋の掃除をしました。心を落ち着かせるのにもっとも適した作業と思って。
一方、嫌なことになりそうと心配しているのが、戦犯探しなどの誹謗中傷合戦。目につく範囲でも、すでに始まっている様子です。もちろん、世間の耳目が集まる事柄には一定の評価が不可欠。ただし賛辞も批判も、他者に聞かせるなら事実に基づかなければならない。それが最低限のルールです。
でも、現代は破り放題。というより無法地帯。自分も同類ながら、知恵を持った人間の浅はかさが露呈する現状に触れると、それこそ皮肉と残念な気持ちになります。今はオリンピックでも各国に誹謗中傷対策チームがあるんですよね。僕はついこの前まで知らなくて、自分の呑気さに打ちのめされたばかりです。
時々思うのは、グッド・ルーザーという英語にふさわしい日本語訳がないことです。直訳すれば「良き敗者」ですが、傷んだ者の肩にそっと手を置くような優しい配慮の意味合いまで含まれているんじゃないでしょうか。けれど誹謗中傷が全世界で起きているなら、どの言語のグッド・ルーザー的な言葉も水泡に帰しているのかもしれません。
それぞれに一言あるのはわかります。しかし本気の場を経験していないなら、そんなものは飲んで吐き出して忘れるか、掃除機に吸い込んでもらうことを勧めます。

電信柱上方のこのスペース、くちばしに小枝をはさんでくるヤツを毎年目撃するけれど、営巣の成功例はまだ見ていません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA