あの町ネコ

しつこいようですが、奄美大島ネタをもう1回。1年も経たないうちに同じ場所に行ける贅沢のひとつは、「ここやこれは前にも」という知ったかたぶりができるところです。今回の旅の初日の宿は、前回と同じ名瀬のホテル。その目の前にコインラインドリーがあるのも「ここ!」。でもってコインラインドリーの入り口で夕方に見かけたネコも「これ!」でした。
いわゆる町ネコなんでしょうね。向こうはたぶん覚えていないだろうけれど、そっと近寄ってみたら、終始そっぽを向いたままながら、立ち上がり歩き出すと僕の足首付近に身体を擦り寄せたあとパトロールに出発しました。ただいま、と言いたい気分になりました。
他方、島には環境省による『奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画』があります。昨年7月に世界自然遺産に登録された奄美大島には、アマミノクロウサギを始めとする希少な固有種が数多く生息しており、それらを捕食し絶滅に追いやろうとしているのが野ネコ(資料ではノネコ)と判明したので、2018年から10年かけて3千を超える駆除を行うというのが計画の主旨だそうです。捕獲後5日ほど管理するものの、引き取り手がいなければ殺処分らしい。
反対運動も起きています。元より島にいなかったネコを連れてきたのは他ならぬ人間ゆえ、それはあまりに傲慢な計画だろうと。
似たようなことは前にもあったそうです。猛毒を持つハブの人的被害対策のため1979年に野に放ったマングースが固有種を捕食し始め、これも駆除活動を行った結果、固有種の数が増えてきた。だから野ネコも、というのが環境省の見立てらしい。
もっとも大事なものは何か。その考え方が立場によって異なるのはやむを得ないことかもしれません。ただ、目的のために手段は選ばなくていいのかとも思います。1年も経たず訪れたとは言え、結局は通りすがりの者には、そんな有り体のことくらいしか言えません。次にいつ行けるかわからないけれど、コインランドリー前のあの町ネコにはまた会いたいです。

こちらが、あの町ネコ。気付いているのに目を合わせてはくれないのね。

 

 

 

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