引っ越しの日

明治元年十月十三日、明治天皇が京都の御所から現在の皇居に当たる江戸城にお引越し。今の暦だと1868年11月26日ですが、引越専門協同組合連合会関東ブロック会という団体が旧暦の日付を選び、1989年に10月13日を『引っ越しの日』としたそうな。記念の催しでもあるのでしょうか。
ちょっと前、衝動に駆られるようにして「身軽になりたい」シリーズを書きました。その発端のひとつが引っ越しの検討だったことと、今回は諸般の事情で見送ったことは、たぶん誰も覚えていないでしょうね。全然いいのです。けれど実は、何件か見学させてもらい、「ここかも!」と絞り込むところまで詰めました。
絞り込んだ部屋は、特に条件面で相当にいい線までいっていたのです。何より駐車場付きの物件だったのが大きかった。希望した地域は元より駐車場代が高い上に数が少ないんですね。これは本当に悩ましくて、部屋がよくても駐車場の用意がないと、個別に探す手間に晒されます。じゃクルマを手放すかと言えば、それができないから厄介。
部屋の雰囲気もまずまずでした。引っ越し経験の浅いヤツが語るのもおこがましい限りだけど、最重要視するのは足を踏み入れたときの第一印象です。その察知に時間はいりません。というより、時間がかかるとすれば、それはダメ出しが始まっている証拠。とにかく、この部屋で自分が暮らすイメージが沸くかどうか。その一点に感覚を集中してみたら、いけるぞとなりました。だから今でも、比較的天井が高い南向きの窓の日の差し方は記憶に焼き付いています。
けれど、諸般の事情で撤回。これに関しては説明を省かせていただきます。ただ、そうなる予感もありました。ひとつは、引っ越しが具体的になりかけたその日が、誕生日と重なる寅の日だったこと。目出度そうなブッキングじゃないかと思いますよね。ところが寅の日には、こんな言い伝えがあるのです。
無事に帰る。虎は千里行ってもちゃんと千里還るという意味合いの諺があって、今でも旅立ちの日を12日周期で巡る寅の日にする人がいるらしいんですね。で、僕は元の部屋に帰ってきた。こういう流れには従ったほうがいいと感じました。今の住まいが嫌なわけではなかったから。
以上は、直近の引っ越しエピソードです。もし転居を決めていれば今頃は大忙しだったなあと思いつつ、あの部屋には誰が住むんだろうとか、いささか奇妙な空虚感を覚えているところです。

地中のタンクを抜き取った後、ガソリンスタンド撤去作業は大詰めに入ったようです。

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