仕事をする上での悩みや困り事は、きっと皆さんにもおありでしょう。僕のそれは、異常と言っていいくらい腹が減ること。特に自宅での原稿書きは、常に空腹との戦いに晒されます。
机の前で椅子に座っているだけなので、体なんかほとんど使いません。動いているのはキーを叩く指先と腕。あるいは着座姿勢を保つためにどこかしらの筋肉が活動しているかもしれない。それでカロリー消費が起きるのだとしても、僕は野球の練習を2時間やるより原稿書きのほうが激しい空腹を覚えてしまう。そのあたり、科学的には次のように証明されています。
脳の重さは体重のわずか2パーセント。にもかかわらずエネルギー消費率は20パーセント。なおかつ脳が求めるエネルギー源はブドウ糖(グルコース)のみ。何もせずとも1時間で5グラムを消費する上に、脳内でブドウ糖を溜めておくことがほぼできないので、常に欲し続ける貪欲さも持ち合わせている。
さらに脳には、ブドウ糖の濃度を感知するセンサーが備わっており、一定量の低下を感知すると信号を発信。それが空腹というサイン。著しくブドウ糖が不足すれば脳内の神経細胞が大量死滅するので、脳は生命維持のためにそういう仕組みを用意した――。
以上をまとめると、脳は極端な偏食癖を持つ痩せの大食いであり、脳を使えば、つまり頭を巡らせれば腹が減るのはいたって自然ということになります。だから僕の悩みは特別なものではないのでしょう。
とは言え、そんな摂理を知っても困り事が解消するわけではないんですよね。原稿書きの途中で腹が減ったら、何か食べずにはいられません。でないと何も考えられなくなるから。それが腹立たしい。これ、奇妙だな。頭のせいで腹が立つ。ふむ。
空腹という、何だか子供っぽい理由で仕事が停滞するのはカッコ悪いなあと思います。オレの脳ミソは筋肉かってね。睡眠量も含め、あれこれ調整してから原稿書きに臨むのだけど、腹が減るのだけはいまだに避けられません。人より脳が大きいのか、ブドウ糖の摂取が下手なのか、はたまたブドウ糖濃度のセンサーがバカになっているのか。原因はまるで不明ですが、もうすでに腹が鳴っているのは確かな事実です。

レトロって、こういうことなのかな。
