ノリツッコミが増えたら

お笑いの基礎技術と言えばいいのか、ノリツッコミというのがありますよね。一人で漫才のボケとツッコミを演じ切るという。それ、日常会話でもそうだし、特に自分のような職業的対話を生業にする者は、とても大事にしなければならないと思うのです。なのに瞬発力の発動の仕方を間違えて、反射的にツッコんでしまうことが多々ある。そんな場面を自ら引き起こすと、その晩は猛省に迫られて眠れなくなります。
まず乗らなきゃいけない。なぜなら、たとえ頓珍漢で素っ頓狂で嘘っぽい話でも、ひとまず相手の言葉を信じなければ会話が死んでしまうから。
あるいは、否定と同義のツッコミをかまして話を膨らませる技もあるけれど、相手にボケの意識やテクニックがなければ、やはり会話が停滞します。だからやっぱり、とにかく肯定ありきがベストじゃないかと。仮にどこかで「そんなはずは」とツッコまれても、とにかく自分の話を受け入れてくれたほうが人は話しやすいですもんね。
そしてまた、ボケやツッコミという立ち位置に関係なく、あらゆる人の話には乗ったほうが得です。もちろん怪しい儲け話などは別。そうではなく、たとえば話の始まりにあまり興味を覚えられなくても、「ふんふんなるほど」と聞いていると、やがて相手がボケらしいポイントを提供してくれます。ほぼ必ず。そこが釣りで言えば合わせのタイミング。漫才ならお客を笑わせるツッコミの間。原稿書きなら、書くべき内容の重要なフックになるのです。
別の言い方をすれば、おもしろがり方なんでしょうね。小さな雪の玉も転がせばダルマになるような、そういう楽しみを期待できる余裕が会話には必要なのでしょう。僕は逆説的に、おもしろくなる話をしてくれる人にたくさん巡り会えているから、今日も書きたくなる原稿を書けているのだと、その運にわりとしょっちゅう感謝します。
いずれにしても、ノリツッコミが得意な人が増えたら、この世界に争いは減ると思うのだけど、どうですか。

ガソリンスタンド解体作業。重機がいなくなったと思ったら、新たなタンクが地中から⁉

 

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