ミス、失敗、過ち等々。望まぬ結果を招いた場合に充てる言葉はいくつかありますが、先日犯したそれは、そのどれにも当てはまりません。粗相。これがいちばんしっくりくる。だから情けなく、案外引きずっております。
この件、クライアント様には絶対に言わないでください。午前中早目の電話取材、その電話が鳴った瞬間に起きてしまいました。もちろん取材があることは前日から承知。なのでスマホのアラームも1時間以上前の時刻にセットして寝たのです。それが正しく作動したかどうかはさておき、とにかく半ばパニックに陥りながらも電話に出ました。「おはようございます。今日もよろしくお願いします」と、まさかこの電話で目覚めたなんてあり得ない体を装った声を発しながら。
しかし何の準備もできておらず、なおかつ朝一なので尿意もあったりして、結局「申し訳ありません。2分後にかけ直させてください」と一旦切らせていただきました。不意の別件で慌てているような気配を漂わせたつもりだけど、バレたかな。どう思います?
滅多に寝坊などしないのです。滅多になので、これまでに完全アウトをしでかしたこともあるのだけど、回数的にはそのすべてを覚えていられるくらいなんですね。秀でた才能のない者にできるのは約束を守るくらいしかないから。ですから寝坊や遅刻を防いできたのは自慢であるはずがなく、この世界で生きていくシンプルなモットーに過ぎません。なのにいつしか自信が過信に変わってしまったのだろうか。挙句の果てに粗相を引き起こし、電話取材が終わった後で腰から崩れ落ちる。そりゃつぶやきますよね。「何やってんだオレ」って。
話は逸れますが、週明けの取材の担当者は、この春に転職してきた編集未経験の方だそうです。入社数カ月を経て今回初めて大枠の企画を任されたらしく、「取材も初なのでご迷惑をおかけすると思いますが」とご丁寧な挨拶をいただきました。彼の上司は知り合いなので、ベテランに新人をぶつける意図があるやもしれぬ。了解しました。粗相などしないキャリアを、あるいは粗相しても悟られない術をとくとご覧にいれましょう。
いや、そうじゃない。まずは集合時間に遅れないこと。そして何より未経験者と同じような心持ちで臨むことが大事。この歳の粗相はかなり厳しく自分を苦しめますね。

新しい靴を履く日は、ちょっと緊張しません?
